はじめにコトバありき

2020年春から始まった物語

コトバではないエネルギー3

4月7日
夜中2時半に目が覚めて、急かされる様にペンと紙を持って机に向かった。4ページを夢中で書き留めて、書き終えて時計を見ると朝6時だった。ホッチキスで綴じた表紙には”セルフヒーリングの手引書”と書いてあった。内容は自らの身体を再生するためのマッサージや呼吸法についてだった。
眠気でボーッとしながらKちゃんの顔が浮かんで『お互いに気になっている事を深めて自分の中で消化させる学びの時だ。』って聞こえてきたので彼女にメールすると「それはチャネリングってやつだね。」と返信がきた。そうか、これがチャネリングっていうのか!
そこからまるでジェットコースターの様な日々が展開していったのです。
ヨグゥさんはとても喋るのが好きで、何でも聞いてくれ、何でも教えたる!ぐらいの勢いでずっと頭ん中でお喋りが続いている。私が思い付く事に対してヨグゥさんが喋る、それを私が相槌を打ちながら聞く。頭の中がめちゃくちゃ賑やかだ。
しかしその夜、寝ている時に頭上で白い光のレーザーみたいなのが何度かシュッと光った気がした。Kちゃんについているクリスっていう龍みたいだった。ヨグゥさんはいなくなった訳ではないが静かになった。
『クリス、昔からの苦手なんだよ。あいつシュッとしてるし、オレにもっと美しくしろとか言うんだぜ。』と小さなつぶやきが聞こえてきた。それからヨグゥさんは本当に静かになったので、それまでたまっていた制作の仕事を進めていった。

コトバではないエネルギー2

テンポ良く軽快に話すKちゃん、それをボーッと聞く私。喋り終えてこちらを向いて「わかる〜?」とKちゃん。
「なんかわからんけど、自己紹介してる感じかな?」と私。
「そっか、じゃあテルちゃんに向けて喋るわ。」と言って私の方を向いて話し出したKちゃん。明らかにさっきとはテンポが違う。それでもって頭の中に浮かんでくるのは、久しぶりに会う近所のおじさんが話かけてくる様な感じだった。
イメージを言葉にすると『まあ、えらい(すごく)久しぶり。あんたら2人でこれからやる事があるで、よろしくな〜。』って感じだった。なんだかとても嬉しくて、気がつくと目に涙が溜まっていた。「大丈夫、心配することは何ひとつない。」と聞こえてくる。
そういえば・・河原で瞑想していた時、木々の向こうに大きなスペースシップみたいなのが出てきて、白く輝く人みたいなものが見えた気がしたなぁ・・そんな事を考えていたら『カッコ良かっただろう、いっぺんああゆうのやってみたかったんだ〜』って聞こえてきて・・笑ってる。めっちゃ陽気だ・・。
その方の名前はヨグゥさんというんだそうだ。『ヨグじゃないよ、ヨグゥだよ〜』と、とにかく明るい。

コトバではないエネルギー

始まりは2020年4月5日の世界同時瞑想だった。

その日は強い風が吹いていた。

なぜだか誰かに声をかけようと思い立ち、 数日前に友人のKちゃんに「河原で瞑想しない?」と声を掛けていた。午前中に2人でシートを持って河原の草むらへ行った。そこは木や草が生茂り美味しいセリが群生して、鳥が唄う心地良い空間。散策の途中で見つけてから、時々行っていたお気に入りの場所だ。同時瞑想は初めての試みで、時間を見ながら呼吸法をして身体をゆるめてシートに座って瞑想をした。「自分を筒だと思って太陽から降り注ぐ光の粒を上から下へ流す。浮かんできた思考はその場で手放す。」いつもやっている瞑想の仕方を話しながら風に揺れる草の中で座っていた。ぼんやりと光の柱が立っていたような気がしていた。

瞑想を終えてから工房で用意しておいたタイカレーを食べた。コーヒーを飲んでいるとKちゃんが唐突に「ライトランゲージって知ってる?少し喋りたいみたいなんだけど・・。」と言ってくる。「ライトランゲージ??よくわからないけど、どうぞどうぞ。」そう言うとKちゃんはおもむろに窓の方を向いて空を見上げるように顔を上げて何語かわからない言葉を喋り出した。